パリと大阪を拠点として、活動するフォトグラファー、アーティスト。真実を写すという日本語の「写真」という言葉より、光で書くことを意味するギリシャ語起源の「フォトグラフィー」という言葉に魅力を感じ、単に被写体を写すのではなく、光を使って新たな世界を「作り出す」ことを目指す。
経歴

東京生まれ。パリ在住。東京大学教育学部で心理学を学んだ後、ソニーでの勤務を経て渡仏。パリ大学で映画学・映像人類学を学び、元シネマテーク・フランセーズ艦長ジャン・ルーシュの指導のもと映画・演劇学博士号を得し、その後、テレビ、ビデオなど映像関係の仕事に携った。
写真への転身
1980年から写真を始め、写真家協会副会長の故渡部雄吉氏から指導を受ける。「アサヒカメラ」でヨーロッパの写真状況を約10年間紹介し、白岡順氏をはじめとする多くの写真家と交流。この過程で国際的な写真表現への探究が始まった。
現代アートとの融合
田淵安一(コブラ)、桜井孝身(九州派)、松谷武判(具体)などの現代アートの日本人アーティストとの交流を通した。アブストラクト・アートに特化したグループ、レアリテ・ヌーヴェルに参加したことから、抽象写真(アブストラクト・フォトグラフィー)の追求を続けていく。またこのグループの中の特に幾何学アートのフランス人たちと親しくなったこともあって、幾何学写真(アブストラクト・フォトグラフィー)を確立することにもなり、幾何学アートのグループ展にもしばしば出展することになった。
作品シリーズの変遷
石化シリーズ(1985頃~): アルミホイルで背景やオブジェを包み、光を当てて撮影する。これを黒っぽくプリントすることで独特の質感を得ることができる(モノクロフィルムによる銀塩写真)。使用素材と写真との考察はここに始まっている。






1秒間のエチュード(2004~): シャッタースピード1秒に設定した長時間露光によって、動く被写体やカメラ自体の軌跡を捉えたシリーズです。






(この後の4つのグループの画像はWorksで紹介しています)
干渉縞シリーズ(2004~): 光が油膜やガラス、フィルム上で干渉し合うことで生まれる、バーチャルな色彩の縞模様(干渉縞)を撮影する。
透明シートシリーズ(2006~): サランラップは光を透過・反射する柔らかい素材だが、引っ張ると直線になる。透明シートを使い、直線的な光の模様を捉えることに成功しました。この性質を利用した直線的模様を捉えた作品。
PAPER WORKSシリーズ(2015~): 折り紙や切り紙で作った幾何学的なモデルに色の照明を当てることで、光と影、色彩の表現を追求する。通常白い紙を使用するが、硬い透明シートを使用することもある。このシリーズで、幾何学的構成によるアブストラクト・フォトグラフィーが確立された。
分割シリーズ(2023~): 画面を分割し、複数の要素を組み合わせて新たなイメージを構築する作品群。分割の方法は、自ら撮った石垣、敷石、木目の写真の輪郭を使用したり、幾何学的な図形を利用したり、プログラムによる画面分割など多様である。
その他の活動
ジャズライブ撮影(チェット・ベーカー、アーチー・シェップ、エルビン・ジョーンズ等)やフランスのロマネスク美術撮影も手がける。近年はプログラミングによるジェネレーティブアートにも取り組み、デジタルアートのグループ展を何回か企画している。





ロラン博物館


サン・セルナン協会

サント・マリー教会

サント・マドレーヌ教会

サン・ピエール教会
現在の状況
フランスのアプストラクトアート団体『レアリテ・ヌーヴェル』写真部門運営委員。同団体が運営するギャラリー・アブストラクト・プロジェクトの実行委員を務める。東京展美術協会会員。日本、フランス、イタリア各地で個展、グループ展。フランス美術協会『メゾン・デ・アルティスト』会員。
最近の主な展覧会(*:個展、無印:グループ展)
2025 カレマン(Carrement)幾何学アート展 ナポリ (ナポリ、イタリア)
2025 OPTIM’ART写真展、京都万華鏡ミュージアム(京都)
2025 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #「アートと数学」(パリ)
2024 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、コルドリエ修道院(パリ)
2024 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2024 レアリテ・ヌーヴェル・バスティア(バスティア、フランス)
2024 *ギャラリー・シェーヌ(東京)
2024 CONVIDキネティック・アート展展・小田原、小田原三の丸ホール(小田原)
2024 CONVIDキネティック・アート展展・京都万華鏡ミュージアム(京都)
2024 OPTIM’ART写真展、京都万華鏡ミュージアム、ギャラリー「ぜん」(京都)
2023 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、エフェクトワール・デ・コルドリエ(パリ)
2023 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2023 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト Drawing Collective展 (パリ)
2023 レアリテ・ヌーヴェル パリ京都、kokoka京都市国際交流会館(京都)
2023 ギャラリー・アトリウム(アルル、フランス)
2023 CONVIDキネティック・アート展 カステル・フランス(カステル・フランス、イタリア)
2022 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、エフェクトワール・デ・コルドリエ(パリ)
2022 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2022 カレマン幾何学アート展 (サバデル、スペイン)
2022 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #136「デジタルアート5」(パリ)
2022 美術の祭典「関西展」原田の森ギャラリー(神戸)
2021 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、エフェクトワール・デ・コルドリエ(パリ)
2021 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2021 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #114「デジタルアート4」(パリ)
2021 ギャラリー・グランエテルナ(パリ)
2021 美術の祭典「関西展」原田の森ギャラリー(神戸)
2020 *ギャラリー・ジャパネスク、京都写真美術館(京都)
2020 美術の祭典「関西展」原田の森ギャラリー(神戸)
2019 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、パルク・フローラル(パリ)
2019 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2019 レアリテ・ヌーヴェル瀋陽(瀋陽、中国)
2019 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #98「デジタルアート3」(パリ)
2019 美術の祭典「関西展」原田の森ギャラリー(神戸)
2018 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #61「アートと数学」(パリ)
2019 アルメニア国際写真祭、アルベルト&トーヴェ・ボヤジアンギャラリー(エレヴァン、アルメニア)
2018 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、パルク・フローラル(パリ)
2018 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2017 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #76「デジタルアート2」(パリ)
2018 サン・ゴバン文化センター(サン・ゴバン、フランス)
2018 *ギャラリ-403(東京)
2018 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #55「アートと数学」(パリ)
2018 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #62「白」(パリ)
2017 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト #55「デジタルアート1」(パリ)
2017 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、パルク・フローラル(パリ)
2017 日本アートクラブ展 日本文化会館(パリ)
2017 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2017 フランス写真家7人展、京都万華鏡ミュージアム(京都)
2016 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、パルク・フローラル(パリ)
2016 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2016 カレマン幾何学アート展、エスパス・クリスティアン、プジョー(パリ)
2016 *ギャラリー403(東京)
2016 サロン・デ・レアリテヌーヴェル、パルク・フローラル(パリ)
2016 美術の祭典「東京展」、東京都美術館(東京)
2016 *アグリジェント市営神殿の谷展示スペース(アグリジェント、イタリア)
2016 *ファム・ギャルリー(アグリジェント、イタリア)
公共コレクション
アグリジェント市(アグリジェント、イタリア)
パレーテ・アート・ミュージアム(カセルタ、イタリア)
ジェオメトリック&MADIミュージアム(ダラス、アメリカ)
出版物
空間から画面へ (エラスム出版、パリ、1991)
展覧会企画
デジタルアート展 1~5 ギャラリー・アブストラクト・プロジェクト 2017~2022
レアリテ・ヌーヴェル パリ京都、、kokoka京都市国際交流会館(京都)2023